2020年秋に「しばらく立ち止まる」との表現で、開発中断を発表。さらには2021年度は三菱航空機の従業員やスペースジェット開発予算が20分の1に縮小されるなど、このままプロジェクトが終了してしまってもおかしくない状況にまで追い込まれています。

 しかし、このまま開発を断念してしまうと、二度と国産ジェット旅客機開発はないかもしれません。初飛行前からずっと応援してきた私としては、希望的観測も交えて、今後もスペースジェットを応援し続けていきたいと思っています。

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★MJの本質 未完の国産旅客機〜第3部[1]を東京新聞がWeb掲載

  

中日新聞系の東京新聞がのちに第3部の1をWeb掲載しました。

 中日新聞が11月29日(火)から5回連載した「MJの本質 未完の国産旅客機」の第3部の1回目を東京新聞がWebに掲載しました。なぜこの時期にというタイミングですが、12月24日ということを考慮に入れると、もしかしたら東京新聞からのクリスマスプレゼントなのでしょうか。しかし1回目のみの掲載で2回目以降は有料記事なので、あまりうれしいプレゼントではありませんけどね。




★SJ持続可能性「見極めている」

  

中日新聞12月20日朝刊「SJ持続可能性『見極めている』」

 中日新聞が12月20日朝刊に「SJ持続可能性『見極めている』」という記事を掲載。三菱重工の泉沢社長が記者会見で、開発を凍結しているスペースジェットについて、持続可能な事業かどうかをいま見極めている」と延べ、再開の可否や時期の見通しは示さなかったという内容。

 記事では「いったん立ち止まる」と表明して2年経過したことに対し、泉沢社長は「航空機は飛んでおしまいではない。顧客基盤、製品基盤、技術基盤、資金の4つがどれだけ揃っているかが大切だ」と述べたことが掲載されています。そしてスペースジェットが狙う100席以下のリージョナルジェット機市場に関してはコロナから回復していない。米国パイロット不足もあり、もう少し時間がかかるとの認識を示した。

 航空業界や専門家だけでなく、飛行機好きの私たちもすでにスペースジェット事業の中止は決定事項と思っているので、もっとはっきり撤退を表明すればいいのにと思いますが、それは多額の補助金や出資金をもらっている手前、言い出しにくいのかもしれません。それともアメリカのスコープクローズ緩和を待っているのでしょうか。言い訳がちょっと見苦しい時期になってきました。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第3部[5] 「コロナ拡大 新たな道へ」

  

今回のタイトルは「コロナ拡大 新たな道へ」。

 中日新聞「MJの本質 未完の国産旅客機」の第3部の5回目。最終回である今回のタイトルは「コロナ拡大 新たな道へ」。MRJがスペースジェットに名称を変更した前年の2019年4月に福原営業部長が組織改編で新設されたマーケティング部の専門職へ異動していたことが冒頭で紹介されていました。

 福原氏がコロナ禍で蒸発した航空需要に伴い、MRJ、現スペースジェットの行く末について調査を進めた結果、90席クラスのMRJの小型機市場は大型機の市場よりも早く回復することが見込まれ、採算を取りやすい小型機の方に需要が向かうのではないかとの報告書に盛り込んだが、結局親会社である三菱重工の泉沢社長が凍結を決定。

 20年6月に体制が半分程度の約1000人に縮小され、その後も人員削減され続けた。福原氏はその翌年の1月に三菱航空機を去り、MRJチーフエンジニア兼三菱航空機元副社長だった岸氏がCTOを務める「スカイドライブ」に。結局三菱航空機は親会社である三菱重工の大企業病に翻弄され、その結果MRJも未完の航空機となっていると言っていいでしょうね。

 今回の「MJの本質 未完の国産旅客機」シリーズですが、第1部がチーフエンジニアだった岸さん、第2部がチーフテストパイロットだった安村さん、そして今回の第3部が営業部長だった福原さんで、いずれもすでに三菱航空機を去った人ばかり。お三方とも地元ではマスコミに数多く登場され私たちも周知することになったわけですが、結局外に出ないと現場からの声が聞こえることはないということでもありますね。

 そしてタイトルにある「新たな道」を進んだのは、MRJを開発している三菱重工や三菱航空機ではなく、福原さんはじめMRJ開発を支えた中心メンバーたちだったということでしょう。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第3部[4] 「守り切れない約束抱え」

  

今回のタイトルは「守り切れない約束抱え」。

 中日新聞「MJの本質 未完の国産旅客機」の第3部の4回目。今回のタイトルは「守り切れない約束抱」。納期延期を繰り返すMRJ開発の裏側で、福原営業部長の苦労が続く今回のエピソードは、いかにキャンセルをされないように食い止めるかというところでしょう。特に2017年に発表された5度目の納期延期は、三菱航空機の経験不足を露呈することになりました。

 記事後半では期待していたアメリカのスコープ・クローズの緩和が進まなかったことも販売促進の足かせのように記載されていますが、これはライバルのエンブラエルにも言えることで、それよりもいつ完成するかわからない開発スケジュールの遅れのほうが圧倒的に問題だったことは明らか。

 今回の記事の最後で、「5度目の納期延期の後、新規受注は1件も入らなかった」で締めくくられているのがすべてを物語っていると思います。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第3部[3] 「華麗なショー 裏で奔走」

  

今回のタイトルは「華麗なショー 裏で奔走」。

 中日新聞「MJの本質 未完の国産旅客機」の第3部の3回目。今回のタイトルは「華麗なショー 裏で奔走」。今回はMRJ時代に初めて航空ショーに実機展示した「パリエアショー」の裏話。

 この航空ショーに実機展示するために、黒帯の飛行試験3号機をANAカラーに塗り替え出品させたのが懐かしいです。その3号機がまさかいちばんにスクラップにされるとは、当時は思いもしませんでした。

 このときは実機展示したもののデモフライトは行われず、シャレーでのモックアップで商談に臨んでいたことが、当時のTVニュースでも報道されていました。そしてライバルのエンブラエル社が新規受注を発表するなか、MRJは1機の新規受注もできなかったことが思い出されます。

 福原営業部長の苦労は相当なものだったと思いますが、これも実績のないという後発メーカーの宿命。しかし、その後の経過を見れば、発注しなかった航空会社のほうが正解だったこともわかってしまいましたけどね。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第3部[2] 「居酒屋から始まった」

  

中日新聞11月30日朝刊。今回のタイトルは「居酒屋から始まった」でした。

 11月29日から連載が始まった「MJの本質 未完の国産旅客機」の第3部の2回目。今回のタイトルは「居酒屋から始まった」。第3部が販売であることは1回目を読んだときからわかっていましたが、その主役となる福原営業部長の三菱重工入社時点まで遡るとは予想していませんでした。

 福原営業部長は旧MRJ時代から時折TVニュースなどにも出演されており、よく知る存在の方ではありました。またもともとは技術屋さんで、設計をやっておられたことも確かTVの取材で答えておられたと記憶しています。そして居酒屋談義から小型リージョナルジェット開発につながる逸話はなかなか興味深いものがありました。

 明日からは、繰り返される納期遅れに翻弄されながら、航空会社へ販売を行わなくてはならなかった福原営業部長の苦労話が続くことになるのでしょうね。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第3部[1] 「約束を売る それが営業」

  

中日新聞11月29日(火)朝刊1面の小さな記事。今回のシリーズもまたこのプロローグから始まりました。


1面から続く本文記事。今回はいったいどんな内容が掲載されるのでしょうか。

 中日新聞11月29日(火)朝刊1面に、今までのシリーズと同じようにちょっと小さいながらも目を引く記事がありました。タイトルは「ワイルドでいこう!」。「MJの本質 未完の国産旅客機」の第3部の始まりでした。

 そして8面には紙面の半分以上を占める大きな記事。こちらのタイトルは「約束を売る それが営業」。第3部は販売にスポットを当てた記事のようで、今回はエアロリース社から確定20機を受注し、オプション契約を含め最大447機の受注を取り付けた秘話が書かれていました。

 タイトルでもある「約束を売る」、これこそが三菱スペースジェットに最も欠けていたこととも言えますね。記者の言いたいことが伝わってくるようです。




★「三菱スペースジェット」、“立ち止ま”ったまま初飛行7周年迎える 最初は「リージョナルジェット初」の設備も?

  

乗りものニュース:「三菱スペースジェット」、“立ち止ま”ったまま初飛行7周年迎える 最初は「リージョナルジェット初」の設備も?

 乗りものニュースが、「『三菱スペースジェット』、“立ち止ま”ったまま初飛行7周年迎える 最初は『リージョナルジェット初』の設備も?」という記事を掲載。

 初飛行から丸7年のこの日を選んだということは、7年経っても相変わらずという意味が込められているのでしょう。しかし、記事の中身はそれほど批判的ではなく、単に「残念」というところが記事のあちこちから読み取れます。

 ちょっと気になったのは、“立ち止ま”という部分。なぜここで括ったのか、私にはよくわからないのです。




★今年も旧MRJの初飛行記念日がやって来ました

  

2015年11月11日午前9時30分過ぎ、ナゴヤタワーが「ジュリエット・アルファ・ツーワン・マイク・ジュリエット、クリアド・フォー・テイクオフ」を告げローリング。

私たちのいる神明公園付近ではすでに上昇しかけていました。大勢の観衆が見守るなか、MRJは大空に舞い上がりました。

今まで地上を走行する姿しか見てこなかったので、こうして大空にはばたくMRJを見てすごく感動してしまいました。

上空で待機していた三菱社有機と航空自衛隊のT-4に見守られながら、MRJはぐんぐんと上昇を続けていきました。

 初飛行を見届けたMRJファンからは、惜しみない拍手が沸き上がっていました。

 今日は旧MRJの初飛行記念日。あのときの感動は今も忘れることはありません。しかし、あれからすでに7年。開発再開の希望がどんどん小さくなっていく中ではありますが、私はこれからも応援し続け、見守っていくつもりです。今年も2015年11月11日の初飛行をペッタン。そして再び名古屋空港から舞い上がる日が訪れるのを待ち続けます。




★「一旦立ち止まる」から2年 特集・スペースジェットの現在地

  

Aviation Wire:「一旦立ち止まる」から2年 特集・スペースジェットの現在地

 Aviation Wireが「『一旦立ち止まる』から2年 特集・スペースジェットの現在地」という記事を掲載。一旦立ち止まって2年が過ぎたスペースジェットは、どうなっているのかという内容で、会見でも歯切れの悪い答弁を繰り返している三菱重工の泉沢社長に代わり、メディアとして現状をまとめた内容となっています。

 「やりたいという気持ちはあっても、マーケットがついてこない、機が熟していないと進められないので、相克の中で検討している」と泉澤社長は説明するが、経済産業省からこれまでに約500億円の補助金などが投じられており、引くに引けない状況とも言える。

 機体メーカー側から航空会社やリース会社に対して開発中止を申し出た場合、当然ながら違約金などを求められる。機体の受領だけではなく、パイロットの採用にも影響が出ている。ANAグループではANAウイングス、JALグループではジェイエアがスペースジェットを運航する予定だったが、スペースジェットを操縦できないのであれば他社に転じるという人もいたという。

 競合となるはずだったリージョナルジェットの世界最大手であるブラジルのエンブラエルは、すでに最新のE2シリーズの売り込みを強化している。泉澤社長の認識では2年前と競争環境は変化していないようだが、本当にそうなのだろうか。

 なかなか鋭い切込みの記事ですが、ブラジルのエンブラエルもスペースジェットの実質的な競合機であるE2-175は開発を2年凍結していることを踏まえると、市場が新型機を要望していないこともあながち嘘ではない気もします。おそらくアメリカのスコープクローズの緩和がないことが、一連の流れの根底にあるのではと推測します。




★SJ凍結後「市場環境変化ない」

  

中日新聞11月2日朝刊「SJ凍結後『市場環境変化ない』」

 中日新聞が11月2日朝刊に「SJ凍結後『市場環境変化ない』」という記事を掲載。三菱重工の泉沢社長が決算会見で、開発を凍結しているスペースジェットについて、立ち止まった時から市場環境は大きく変わっていないと語り、事業の今後の進め方について具体的な言及を避けたという内容。

 記事本文で新型コロナウイルス禍で落ち込んだリージョナルジェット機市場は、落ち込みからの回復が遅れている。もう少し時間がかかると説明し、やりたい気持ちはあっても機が熟していないと進められない。相克の中で検討している。現在国内外の航空会社から287機の受注が残っており、お客さまさには丁寧に話しをし、ご理解をいただいていると述べたとなってます。

 機は熟しておらず再開の目途は立たない、航空会社との受注契約は解除していない、機体の設計はどんどん古くなっていく、いったいどうするつもりなのでしょうか。




★開発難航の「三菱スペースジェット」 カリスマなき体制で、日の丸の翼は消えゆくのか

  

メルクマール:開発難航の「三菱スペースジェット」 カリスマなき体制で、日の丸の翼は消えゆくのか

 メルクマールというあまり聞き慣れないニュースサイトが、「開発難航の『三菱スペースジェット』 カリスマなき体制で、日の丸の翼は消えゆくのか」という記事を掲載。著者は吉井たくや氏という交通ライターのようですが、この方の名前も失礼ながら存じ上げません。

 内容は三菱スペースジェットの開発遅れをネタに、日本の航空機製造産業の行く末を案じる構成になっていて、全般的にはすでに知られている内容を羅列したものと言っていいのではないかと思います。記事は4つのサブタイトルから成っており、「三菱スペースジェットの役割」「MSJの可能性」「開発の現状とは」「うまくいかないワケ」で構成。

 久しぶりに三菱スペースジェットの記事がネットに掲載されたのですが、残念ながらそれ以上でも以下でもないというのが率直な感想です。




★「MJの本質 未完の国産旅客機」第2部の1話が東京新聞と中日新聞Webに

  

これは東京新聞への掲載をツイートしたものですが、中日新聞Webでも公開されました。

 中日新聞が8月1日から11日まで、朝刊に連載した記事「MJの本質 未完の国産旅客機」第2部が、ようやく中日新聞Webに掲載されました。ようやくと思って記事を読んだところ、第1部に続き無料なのは中日BIZナビに掲載した第1回のみでした。

 そして今回もこの記事を本家中日新聞Webよりも先に、東京新聞が掲載したのです。東京新聞というのは中日新聞東京版なので、こんな面倒なことしなくても、単に中日新聞Webにリンクするだけでもよさそうなのですけどね。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[7] 身近な空へ 夢を飛ばす

  

MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[7] 身近な空へ 夢を飛ばす

 中日新聞のMJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[7] は「身近な空へ 夢を飛ばす」。今回が第2部の最終回なのですが、MRJテストパイロットとして志半ばで退職された安村さんの現況で締めくくられていました。

 安村さんが三菱航空機を退社されて、新会社「AeroVXR」を設立して活動されているのは周知のところで、今回の記事のタイトルでもある「身近な空へ」を実現することを目指されているわけです。

 こうして中日新聞の「MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部」が完結したわけですが、結局最終回まで今回の連載をなぜこの時期に掲載したのか、記者は私たちに何を伝えたかったのかは私にはわからないままでした。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[6] 開発の凍結 もがれた翼

  

MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[6] 開発の凍結 もがれた翼

 中日新聞のMJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[6] は「開発の凍結 もがれた翼」。今回はコロナ感染拡大を理由に開発凍結となったときの話。モーゼスレイクの安村さんたちも突然の知らせだったようです。また凍結は1年で、翌年の春には再開するとの前提だったことも明らかに。

 スペースジェット開発凍結は三菱重工内の反スペースジェット派閥によって決定されたことなので、子会社である三菱航空機には何もすることはできなかったことでしょう。飛行試験が中段される数日前に1号機で飛んだという話が、安村さんたちテストパイロットの無念さを如実に表していると感じます。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[5] 組織改革 現場置き去り

  

MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[5] 組織改革 現場置き去り

 中日新聞のMJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[5] は「組織改革 現場置き去り」。今回は飛行試験を行っているモーゼスレイクと名古屋の間に時差と距離から来る些細な食い違いが、ベラミー体制へ移行されたことによる現場置き去りの組織改革に伴う問題へと移り変わって行った時期がクローズアップされています。

 驚きだったのは、安村さんたちにはプロジェクト名が「スペースジェット」に変わることが事前に通知されていなかったということです。そして安村さんの「宇宙にでも行くのかと思った」と皮肉った逸話が当時を如実に物語っていると思います。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[4] 迫力飛行 現実は厳しく

  

MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[4] 迫力飛行 現実は厳しく

 中日新聞のMJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[4] は「迫力飛行 現実は厳しく」。2年に1度開催されるイギリス・ファンボロー航空ショーでのデモ飛行の舞台裏。安村さん目線での飛行ショーが活字になっています。しかし、期待していた新規受注にはつながらず、「今になって思う」の後述部分が、当時の三菱航空機に足りなかったことでしょう。

 そして今回の記事では三菱航空機が開発スピードを加速させるために体制変更に突入するところまでで終わっていますので、次回からいよいよベラミー体制時代に突入するようです。安村さんたちモーゼスレイク組は、いったいどのような変化があったのか、次回の内容に興味が湧いてきました。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[3] 限界挑み 連帯勝ち取る

  

MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[3] 限界挑み 連帯勝ち取る

 中日新聞のMJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[3] は「限界挑み 連帯勝ち取る」。モーゼスレイクで始まった飛行試験の回想に入りました。2号機のエンジン停止は当時、ほとんど公開されることのなかった飛行試験において、珍しく公開された事案だったので、記憶に残っているところ。

 中日新聞の「MJの本質」ですが、今回のシリーズは安村テストパイロットの回想録となっていて、実にネガティブな内容だった第1部に比べると、パイロット目線によるポジティブな記事になっています。ただ、やはり「なぜ今?」感の強い特集に感じますね。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[2] 挑戦の始まり 海を越えて

  

MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[2] 挑戦の始まり 海を越えて

 中日新聞のMJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[2] は「挑戦の始まり 海を越えて」。1号機が北回りでモーゼスレイクへフェリーフライトした頃のお話。とても懐かしい内容で、当時三菱航空機に勤めていた方々にはなおさらではないでしょうか。

 私たち航空ファンにとっては、この頃のMRJ開発は実に歯がゆく、三菱航空機から経過報告があるわけでもなく、時間ができると名古屋空港の展望デッキから三菱エプロンを眺めていたことが思い出です。

 それにしても、なぜ中日新聞は今になって、この回顧録のような記事を連載することになったのでしょうか。私はそちらのほうが気になって仕方ありません。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第2部[1] 「今日は、一緒に飛ぼうな」

  

中日新聞8月1日(月)朝刊1面の小さな記事。またこのプロローグから今回のシリーズが始まりました。


1面から続く本文記事。今回はいったいどんな内容が掲載されるのでしょうか。

 中日新聞8月1日(月)朝刊1面に、前回と同じちょっと小さいながらも目を引く記事がありました。タイトルは「今日は、一緒に飛ぼうな」。「MJの本質 未完の国産旅客機」の第2部が始まったのです。

 そして3面には紙面の半分以上を占める大きな記事。こちらのタイトルは「大空へ 人と機体が調和」。テストパイロット「安村さん」の初飛行までの回想記事のようです。なぜ今このタイミングで第2部がスタートしたのか不明ですが、今回のシリーズはテストパイロットとしてのMRJ開発を回想するようなので、しばらくの間、中日新聞朝刊記事を読むのが待ち遠しくなりそうです。




★三菱航空機、前期87億円の最終赤字 3期連続債務超過

  


日本経済新聞:三菱航空機、前期87億円の最終赤字 3期連続債務超過

読売新聞:三菱航空機、3期連続の赤字…「三菱スペースジェット」開発は再開メド立たず

 日本経済新聞が「三菱航空機、前期87億円の最終赤字 3期連続債務超過」という記事を掲載。

 三菱航空機が1日公表した2022年3月期の決算は、最終損益が87億円の赤字(前期は912億円の赤字)だった。三菱スペースジェットに関連する減損損失計上の影響がなくなり、開発の事実上の凍結で開発費も減った。負債が資産を上回る債務超過は3期連続となった。

 22年3月期末の債務超過額は5647億円で、前の期末の5559億円からさらに拡大している。22年3月には試験飛行をしていた米国ワシントン州の拠点を閉鎖。飛行試験機の3号機の登録も抹消されるなど、足元では縮小の動きが進んでいる。

 三菱航空機は三菱重工の完全子会社で、自社によるスペースジェットの開発・撤退いずれの権限もありませんから、親会社である三菱重工の意向に従うだけです。その三菱重工の泉沢社長がまだ再開の時期じゃないと発言しているのですから、子会社である三菱航空機のいばらの道はまだまだ続くことでしょう。




★スペースジェット再開「検討になお時間」

  


中日新聞6/30朝刊記事 三菱重のSJ再開「検討になお時間」

 中日新聞6/30朝刊の経済面に「三菱重のSJ再開『検討になお時間』」という小さな記事が載りました。内容は29日に開催された三菱重工の株主総会で、泉沢社長が株主からの質問に答えた内容。

 泉沢社長は再開の判断について、「リージョナルジェット機市場の将来見通しが明確になり、サプライヤーの強力が得られることが大前提になる」と説明し、株主から再開を期待する声が寄せられたことも紹介。「大変ありがたく、引き続きご理解、ご支援をお願いしたい」と述べたとのことです。

 スペースジェット再開を阻んでいるのは株主ではなく、社内のスペースジェット開発再開反対勢力のようです。確かにすでに1兆円も投資していることを踏まえると、たとえ完成させて1000機販売しても、決して黒字になることのないプロジェクトですからね。




★低迷「スペース・ジェット」vs好調「E-Jet E2」 2機種の“隠れた違い”とは? それぞれの利点

  


乗りものニュース:低迷「スペース・ジェット」vs好調「E-Jet E2」 2機種の“隠れた違い”とは? それぞれの利点

 乗りものニュースが、【低迷「スペース・ジェット」vs好調「E-Jet E2」 2機種の“隠れた違い”とは? それぞれの利点】という記事を掲載。久しぶりにスペースジェット関連の記事だったので読んでみました。

 今回のお題は「カーゴルーム」の位置の違いでした。エンブラエルのE-Jetシリーズの胴体断面は、直径の異なる円を上下に重ねた「ダブル・バブル」型をしていて、胴体の短い「E170」などは、そのせいか横から見るとぽっちゃり目にも見え、「スペース・ジェット」の胴体断面は、ほぼ真円に近くスマート。

 この違いはカーゴルームの位置の違いからきているものなのは、ここに遊びに来てくれているみなさんには周知の事実。両者には一長一短ありますが、スペースジェットが機体後方にカーゴルームを配置したのは、キャビンの頭上を広くできることと、ほぼ真円形状にすることで、空力をよくすること。欠点はカーゴルームの搭載量によって、機体の重心位置がずれることでしょう。

 読み終わった感想は、確かに隠れた違いではあるものの、「今さら?」という感が拭えないといったところでしょうか。もうスペースジェットはネタ切れ状態ですね。




★三菱重工泉沢社長、スペースジェット再開明言せず

  

中日新聞5月13日朝刊記事

Aviation Wire:三菱重工、22年3月期は航空領域黒字化 スペースジェットは進展なし

毎日新聞:三菱重工、最終利益2.8倍 スペースジェット事業費縮小で

 三菱重工は5月12日、2022年3月期通期連結決算を発表した。純利益は前期比2.8倍の1135億円となり、開発を凍結しているスペースジェット向けの費用が減少したことが寄与した。売上高は4.3%増の3兆8602億円だった。

 また、三菱重工の泉澤清次社長は12日のオンライン会見で、開発を凍結しているスペースジェットについて、「立ち止まった後、計画通りに進めている。お話できるような進展があるわけではない。引き続き適正な規模で検討していく」と述べるにとどめた。

 泉沢社長のコメントは凍結発表後、毎回同じ。立ち止まっているのに、いったい何を計画通りに進めているのでしょうか。




★飛行機好きチャンネル「MSJ vs HondaJet」

  

飛行機好きチャンネル:栄光と挫折 ANA/JAL発注の国産旅客機三菱スペースジェット(旧MRJ)とHondaJet(ホンダジェット)と比較し明暗を分けた理由を考察

 飛行機好きチャンネルのYUさんが「栄光と挫折 ANA/JAL発注の国産旅客機三菱スペースジェット(旧MRJ)とHondaJet(ホンダジェット)と比較し明暗を分けた理由を考察」という動画を公開。

 概要:開発凍結のMSJ(Mitsubishi Space Jet:旧Mitsubishi Regional Jet)と世界一位のHondajet(ホンダジェット)は開発初期段階で差がついていたのか。両者の開発経緯や特徴を紹介し、その差を考察しました。是非ご覧ください♪

 三菱スペースジェットとホンダジェットの比較については、今までもあちこちのアビエーション系情報サイトが実施しているので、あえて私からのコメントは差し控えさせていただきますが、この動画では2機の特徴やおいたちについて、非常にわかやすく解説されています。内容についてもほぼ100%合っていると思います。




★元日本航空訓練所 白い滑走路の舞台 モーゼスレイクの今

  

チャーリー古庄さんがYouTube動画に「モーゼスレイクの今」をUPしてくれました。

 チャーリー古庄さんがYouTube動画に、「元日本航空訓練所 白い滑走路の舞台 モーゼスレイクの今」というタイトルの動画をUPしてくれました。チャーリー古庄さんといえば「空撮」。今回もヘリをチャーターしての空撮を実施。

 おびただしい機数のB737MAXがストアされている「モーゼスレイク・グラントカウンティ空港」のエプロンに、もしや飛行試験機がいないかと期待して探しましたが、残念ながら目にすることはありませんでした。今もハンガー内に留まっているのでしょうか?

以下はチャーリー古庄さんのコメです。

運航停止中のBoeing737MAXが駐機されている空港、アメリカワシントン州モーゼスレイク空港に、地上から、そして空から訪れてみた!
00:00 地上から
00:23 ターミナル内
01:02 外周案内
03:22 元JAL格納庫
04:07 ヘリでモーゼスへ
04:40 モーゼスレイク空港に着陸
05:12 空撮準備
05:30 空撮開始
07:52 三菱スペースジェットが使用していた格納庫
07:58 白い滑走路「Flaps20 Gear Down」の舞台のRunway




★「MJの本質 未完の国産旅客機」が中日新聞Webに

  

ようやく中日新聞Webが掲載したと思ったのですが・・・

それと、中日新聞東京版である東京新聞にも全く同じ記事が掲載されました。

 中日新聞が4月18日から26日まで、朝刊に連載した記事「MJの本質 未完の国産旅客機」第1部が、ようやく中日新聞Webに掲載されました。どうしてこの記事をその日のWeb版に掲 載せずに、「中日BIZナビ」での有料記事にしたのかわかりませんが、ようやくと思って記事を読んだところ、無料なのは中日BIZナビに掲載した第1回のみでした。

 もう1つ不思議だったのは、この記事を本家中日新聞Webよりも先に、東京新聞が掲載したことです。東京新聞というのは中日新聞東京版なので、こんな面倒なことしなくても、単に中日新聞Webにリンクするだけでもよさそうなのに、わざわざ別のタイトルまで用意していたのです。実に不思議。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第1部[7] 夢の続き 残せるものは

  

中日新聞4月26日、タイトルは「夢の続き 残せるものは」

中日BIZナビがこのページは無料で見られるとツイートしたので見てみたのですが・・・。

 中日新聞の連載記事「MJの本質 未完の国産旅客機」第1部の7回目。今日のタイトルは「夢の続き 残せるものは」で、岸さんがMRJチーフエンジニアを辞めたのちに、三菱航空機を定年退職し、三菱重工の子会社で「空飛ぶクルマ」の開発に取り組むことになった時代の話になりました。

 薄々感じていましたが、今回のシリーズは、岸さん目線の回顧録というか、恨み節というか、そういった方向のもので、三菱重工のジェット機開発全体にスポットを当てたものではないと言えますね。そして今日の記事で第1部は終わりとのこと。第2部はいったいどのような記事になるのでしょうか。そして誰が主人公なのでしょうね。

 午後になって中日BIZナビTwitterが、このページは無料で見られるとツイートしたので見てみたのですが、結局本文は有料ページでした。




★「三菱スペース・ジェット」実用化の“裏ワザ”なぜ実行されず?

  

乗りものニュース:「三菱スペース・ジェット」実用化の“裏ワザ”なぜ実行されず? 海外では実例アリ

 乗りものニュースが最近、三菱スペースジェット関連記事を掲載していますが、今回のタイトルは「三菱スペース・ジェット」実用化の“裏ワザ”なぜ実行されず?海外では実例アリというもの。

 要はもともとリージョナルジェット機なのだから、国際線に使用することはないので、アメリカFAAによるTC取得をあきらめ、国交省のTCのみではダメなのかというものですが、国内の航空会社のみに販売してはどうかとの内容。

 中国ならそれでもいいかもしれませんが、欧米の航空会社に販売してナンボの航空機なのに、日本国内のみでしか飛ばせない飛行機を製造したところで、いったい何機が売れることやら。ましてや国内航空各社とて、FAAのTCを取得していない航空機を使用するとも思えませんけどね。

 中日新聞の連載記事「MJの本質 未完の国産旅客機」は、日曜日だからなのか、今朝の新聞にはありませんでした。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第1部[6] 空を見ず「社内」を見た

  

中日新聞4月23日、タイトルは「空を見ず『社内』を見た」

 中日新聞の連載記事「MJの本質 未完の国産旅客機」第1部の6回目。今日は開発が計画通りに進まず、三菱重工がMRJ事業を社長直轄にした時期のお話。大企業病ともいうべき、天の声に振り回された様子が見て取るような内容。

 MRJのプロジェクトリーダーがベラミー氏に替わったからと言って、開発スケジュールの改善にはつながらなかったことがよくわかります。それどころか、記事のタイトルにもなっているように、三菱重工という大企業内においては、MRJ事業は社運をかけた一大プロジェクトではなかったということでしょう。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第1部[5] 「渡り鳥」の翼を借りて

  

中日新聞4月22日、タイトルは「『渡り鳥』の翼を借りて」

乗りものニュース:「三菱スペース・ジェット」実用化さらに遠のく… どこでYS-11やホンダ・ジェットと差がついた?

 中日新聞の連載記事「MJの本質 未完の国産旅客機」第1部の5回目。今日は三菱航空機が助っ人として海外のエンジニアたちを大量雇用した時代の話。記事ではMRJ開発の係わる社員2000人のうち、実に600人が外国人の助っ人になったというのですから、現場に混乱が起きないはずがないです。

 この頃、名古屋空港展望デッキに行くと、空港内のあちらこちらを世界中の外国人が歩いていて、階段室や展望デッキで携帯電話で話をしている風景をよく目にしたものです。日本式と海外では、モノづくりの本質が違うので、いきなり上司が外国人になって、社内の会話が英語にされてしまっては、そりゃ大変だったことでしょう。

 そして今日の記事の最後はチーフエンジニアにベラミー氏が抜擢され、MRJがスペースジェットに改名されたところで終わっています。私はここからが第2部かと思っていたのですが、そうではないようです。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第1部[4] やみくもに迷路を走る

  

中日新聞4月21日、タイトルは「やみくもに迷路を走る」

 中日新聞の連載記事「MJの本質 未完の国産旅客機」第1部の4回目。今日は初飛行後のTC取得に向けての苦悩の始まりを、チーフエンジニア岸さん目線で紹介しています。

 この時期のの三菱航空機の迷走ぶりは、当時でもすでにマスコミの餌食になっていて、相次ぐ引き渡し時期の延期発表に、いったいどうなっているのだろうと思っていた頃でした。三菱航空機内部がこんな状況だったのですから、まともなプレスリリースなどできるはずもなく、私たちは秘密主義の三菱重工と三菱航空機を懐疑的に見始めた頃でもありました。

 今日の記事で印象的だったのは、社内が初飛行がまるでゴールのようになっていて、「初飛行できればなんとかなる」と楽観していたこと。また、TC取得に関して、なぜこの設計にしたのかという「答え」だけでなく、どのように解に至ったのか過程を説明する必要があった。経験豊富な欧米の技術者らは航空当局にいくつかの物語を提示し選んでもらう手法を採っていたが、答えはひとつだと思っていた岸たちにとって、その暗黙のやり方は大きな障壁だったというところです。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第1部[3] 眠れぬ夜重ね 初の大空

  

中日新聞4月20日、タイトルは「眠れぬ夜重ね 初の大空」

 中日新聞の連載記事「MJの本質 未完の国産旅客機」第1部の3回目。今日は2015年11月11日の記念すべき初飛行までの秘話。初飛行を延期した原因や直前に安村テストパイロットと交わした会話。また、心配で眠れなかった日々などが回想されています。

 今から思えば、関係者でない私たちが連日空港へ通って初飛行を楽しみにしていた頃。つまり最も盛り上がっていた時期とも言えます。部外者である私たちですらそうであったのですから、関係者特にチーフエンジニアの気持ちは察するに余りあります。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第1部[2] 「ジャパン」全身にまとい

  
 

中日新聞4月19日、タイトルは「『ジャパン』全身にまとい」

中日BIZナビがツイートしていますが、中日新聞Webでは非公開。

 4月18日から連載が始まった中日新聞記事「MJの本質 未完の国産旅客機」の第1部の2回目。今日の記事も岸元チーフエンジニアが主役なので、おそらく第1部は岸さん目線でのMRJ開発の苦悩がまとめられるものと推測します。第2回の今日は、2014年10月に行われた「ロールアウト式典」から初飛行に向けての苦労話。

 時折、成功したホンダジェットとの比較をされる三菱重工とスペースジェットですが、その中でよく言われているのは、ホンダジェットには藤野さんという絶対的な開発責任者がいて、何があっても決してぶれずに突き進んだのに対し、三菱重工は子会社の三菱航空機の社長を何度も置き換え、さらに開発責任者も途中で交代させたことが、スペースジェット開発失敗の背景として挙げられています。

 物事に「たられば」は禁物ですが、三菱重工が開発の当初から岸さんをチーフエンジニアに抜擢し、何が起きてもぶれずに開発を続けていたら、そんなことを記者は想い描いて記事を書いたのかもしれません。しかし、それでも戦闘機とは違い経験のない旅客機の開発は、一筋縄ではいかなかったことは火を見るよりも明らかですけど。




★MJの本質 未完の国産旅客機〜第1部[1] 真っ青な作業着は、ごみ箱に捨てた。

  

中日新聞4月18日(月)朝刊1面の小さな記事。このプロローグから今回のシリーズが始まりました。


1面から続く本文記事。今回はまだ「第1部」の[1]ようです。

中日BIZナビがTwitterで配信していますが、記事購読は有料。

 中日新聞4月18日(月)朝刊1面に、ちょっと小さいながらも目を引く記事がありました。タイトルは「MJの本質 未完の国産旅客機」というもので、タイトルよりも見出しとなっていた「真っ青な作業着はごみ箱に捨てた。」に目が行くような演出。そしてこの小さな記事はプロローグであり、本文は新聞3面に大きく掲載されていました。

 中日新聞と朝日新聞にはかなりの飛行機好きの記者がいるようで、この2紙にはしばしば他の新聞社が掲載しないような航空関係記事が掲載されます。中日新聞の場合は、特に地元密着型の記事を多く掲載するために、おのずと三菱重工や三菱航空機関係の記事が多い傾向にあります。

 今回のタイトルは「MJの本質 未完の国産旅客機」で、今日の記事は第1部の[1]となっているので、これからしばらくMJつまり三菱ジェットに関するシリーズが続くのでしょう。ちなみに今回の主役は「岸信夫 元三菱航空機副社長兼MRJチーフエンジニア」。先回の特集でも確か岸さんに関する記事から始まった記憶なので、MRJの失敗と岸さんの存在は、切っても切れない関係と思っているのでしょう。




★飛行試験3号機「JA23MJ」すでに解体処理、モーゼスレイク拠点閉鎖

  

中日BIZナビが衝撃的なメッセージをTwitterで配信。

読売新聞オンライン:三菱スペースジェット、1機の日本国籍登録を初めて抹消…使用用途終え

中日新聞4月13日朝刊記事

中日新聞Web:三菱スペースジェットの米拠点を3月末で閉鎖

朝日新聞デジタル:スペースジェット米拠点を閉鎖 国産初プロジェクトは風前のともしび
 


在りし日の3号機を偲んで〜2016年12月25日、3号機のサンデークリスマスフライト♪

 午前9時30分、まさかまさか、こんな時間から出てくるとは思いもしませんでした。私は午前9時過ぎまで待っていてこの日はないと思い、すでに自宅に帰っていたのですが、ネット情報で3号機が出て来たことを知り、慌てて(自転車で)名古屋空港に戻ったのです。

テストパイロットらが搭乗したのは午前10時20分。

午前10時25分、メインギアの車止めが外されました。

午前10時35分、ドアクローズ。

そしてタラップカーが外されました。

午前11時05分、エンジンスタート。

午前11時15分、前輪の車止めが外され・・・

マーシャラーから出発準備完了合図が送られました。

3号機エンジンスタート
 

午前11時16分、JA23MJ REQUEST TAXI.

JA23MJ、TAXI TO RW34.

 3号機にはすでに洋上フライト用のHFアンテナが付いてます。
それと、スタティックプレッシャーコーンが付いていないのも3号機の特徴。

 まさかのクリスマスフライトだったためか、今日はマニアもあまりいませんでした。

午前11時21分、JA23MJ,CLEARED FOR TAKE OFF.
 

いつもながら、あっという間にローテーション開始。うわぁ光っちゃた〜。

雲一つない、クリスマスの空に3号機が上昇して行きます。

いや〜、戻って撮影してよかったです。

今日はKエリアへ向かうとのこと。

VFRでトヨタを経由しFL220をリクエスト。

青空に白いMRJがよく映えます。

右旋回して私たちの視界から消えていきました。

3号機がまさかのクリスマスフライト
 

この日のFlightradar24の飛行ログ。



Mitsubishi MRJ, First Test Flight of FTA-3

三菱航空機が公開した3号機「FTA-3」のファーストフライト映像。

タイトルは「Mitsubishi MRJ, First Test Flight of FTA-3」

飛行中の映像が見られるのはオフィシャルならではです。

  
 昨日の飛行試験3号機登録抹消ニュースを見たときは、まだ日本に戻ってくるかもしれないと思ったのですが、残念ながらすでにアメリカで解体処理されていました。おまけに3月末でモーゼスレイク・フライトテストセンターも閉鎖になっていて、今は3機の飛行試験機だけが残っているとのこと。

 そんなわけで、在りし日の3号機を回想しながら、当時の飛行試験をペッタンしました。想えば、私は3号機とは縁がなかったです。相次ぐフライトキャンセルで、3号機のテストフライトに遭遇できたのはわずか数回でした。名古屋空港時代、フライトキャンセルが多かったので、3号機は出来が悪かったのかもしれません。

 冷静に考えれば、三菱航空機はMRJから大幅に設計変更を施してスペースジェットと名称を変更。すでに国内には2機のスペースジェット飛行試験機がレジ登録されているわけですから、わざわざお金を掛けて旧MRJ飛行試験機を日本までフェリーする必要はないということになります。

 モーゼスレイクに残っているはずの残り3機の旧MRJたちですが、3機とも解体処理されてしまうのかもしれません。唯一の可能性として考えられるのが、国内にある2機のスペースジェットを使ってTCを取得したあかつきに、飛行試験1号機が記念に帰国するかもしれないということ。

 あいち航空ミュージアムには、本来MRJが1機保存されることになっていたので、三菱重工が会社を立て直すことに成功し、M90でもM100でもいいのでTCを取得。開発記念にあいち航空ミュージアムに1号機が寄贈されるという夢の話に期待することにします。




★飛行試験3号機「JA23MJ」が登録抹消

  

FlyTeamニュース:JAレジ2022年3月動向、三菱航空機スペースジェットで初の抹消

Aviation Wire:三菱スペースジェット、3号機が初の登録抹消 ANA塗装でパリ航空ショーお披露目も

 国土交通省航空局(JCAB)が4月11日に公表した航空機登録情報3月分によると、2022年3月の日本国籍の航空機登録は、新規登録が4機、抹消が4機、予約登録が3機。このうち抹消では、三菱航空機が開発していたスペースジェットのうち「JA23MJ」の登録が抹消されたことが明らかになった。

 旧MRJの飛行試験機としてJAレジ登録された5機のうちの初の抹消で、抹消された「JA23MJ」は、飛行試験3号機として2016年11月22日(火)に初飛行した機体。飛行特性試験とアビオニクスを主に行う試験機として製造された。航空機登録情報によると、3号機の抹消登録日は3月17日。14日付で「航空の用に供さないため」として、三菱航空機が国交省に届け出た。

 「JA23MJ」は、試験拠点のモーゼスレイクでの飛行試験に加え、パリ・エアショーでの地上展示などでも使用された。塗装は初飛行時の三菱航空機ハウスカラーの黒帯から、米国でローンチカスタマーであるANAカラーに変更、そしてスペースジェットカラーに変更された。

 何ということでしょう。5機製造された旧MRJ飛行試験機の中でも、いちばん活躍したのがこの23MJでした。登録抹消されたのち、仮レジで日本に帰国するのか、それともこのまま北米でスクラップになってしまうのか。何とも言えない悲しい気持ちになりました。




★ホンダジェット納入数、5年連続世界首位

  

共同通信:ホンダジェット納入数、世界首位 5年連続、21年は37機

Aviation Wire:ホンダジェット、納入累計200機超え 5年連続で世界最多、21年通期

Honda 「HondaJet」が5年連続でカテゴリートップのデリバリー数を達成

 ホンダの米子会社「ホンダ エアクラフト カンパニー」は23日、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の2021年の納入数が37機となり、同クラスで5年連続の世界首位だったと発表した。高い飛行性能や燃費の良さが評価された。新型コロナウイルス流行前の19年の納入数(36機)を上回り、好調な売れ行きだった。

 主な顧客は個人の富裕層や企業で、コロナ下で「密」を避け、感染を防ぐ移動手段としても需要が高まっているという。15年の初納入以来、日本の他、欧米や東南アジア、中国、ロシアなどで販売しており、21年末時点で209機を納入した。

 三菱スペースジェットなどのリージョナルジェット市場がスコープクローズ問題もあって苦戦しているなか、ホンダジェットは5年連続世界首位という輝かしい実績を続けています。スペースジェットとは機体サイズが異なるため、一概に比較することはできませんが、今後も派生型を増やしていく予定のホンダジェットと、MRJ90として開発したM90のTC取得もままならないスペースジェット。比べたくなくても、どうしても比べてしまいますね。




★エンブラエル、E175-E2の開発3年間中断 27年以降就航

  

Aviation Wire:エンブラエル、E175-E2の開発3年間中断 27年以降就航

 エンブラエルは、次世代リージョナルジェット機「E2」シリーズのE175-E2について、開発を3年間中断する決定を下した。「スコープ・クローズ」と呼ばれるリージョナル機に関する米国の労使協定に関する協議の進捗や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の民間航空機市場への影響などによるもの。新たな就航時期は2027年から2028年の間を想定している。

 この記事を読んで感じたのは、これが市場が縮小してのことなのか、それともライバル不在となって、あえて巨額の開発費を投資する必要がなくなったからなのか、実際のところが気になりました。

 市場から競争が消え1社独占になると、ユーザーにとっていいことはありません。しかし、小型機市場が回復するのが本当に4〜5年先になるのであれば、三菱重工がスペースジェット開発を一時中断していることも、あながち間違いではないのかもしれません。




★三菱重、最終利益15倍に 4〜12月、ジェット費用減

  

産経ニュース:三菱重、最終利益15倍に 4〜12月、ジェット費用減

 三菱重工が7日発表した令和3年4〜12月期連結決算は、最終利益が前年同期に比べて約15倍となる500億円だった。フォークリフトを手掛ける物流事業や、航空機向けエンジン事業が改善した。開発を凍結しているスペースジェットの費用削減効果も大きかった。

 売上高は前年同期比1.6%増の2兆6453億円となった。稼ぎ頭の米航空機大手ボーイング向け部品事業は、主力機の減産などで減ったが、その他の事業は新型コロナウイルス禍による落ち込みからの回復が進んだという。小沢寿人CFOはオンライン会見で「全体として改善傾向だ」と述べた。

 年間1000億円にもなっていたというスペースジェット事業を凍結して、ようやく最終利益が500億円では、この先1年や2年はスペースジェット事業の再開はなさそうです。仮に再開するとしたら、どのくらいの利益が出ないといけないでしょうか?
  

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