私が航空無線(Air Band)にはまったのは今から9年ほど前でした。はじめは次に何が着陸するのかが知りたくて、わからない交信内容に聞き入っていたものです。
 しかしいつの間にか自宅にいるときも、車を運転中も暇さえあればレシーバーの電源を入れているようになってしまいました。ここではそんな私の航空無線ライフを紹介します。

★簡単な紹介から・・・

 航空無線は航空管制(ATC)を無線でやりとりするもので、大きく分けて空港への進入・出発を管制しているものと、上空の航空路を飛行する航空機を管制するものに分けられます。航空管制にはすべて英語が使われていて、英語の単語の意味と違う意味になっていることが多くあります。

 私が主に聞いているのはこのうちの空港管制の方です。空港管制は主に次のセクションに分かれています。<セントレア○○○/名古屋○○○>内は セントレアと名古屋空港の周波数です。

1.アプローチ(進入管制)<AM セントレア121.050MHz&119.175MHz 、フィーダー125.550MHz>
 空港に近づくと、まずこのアプローチと交信します。アプローチは空港から数十キロも離れたところから誘導をしているため、管制官はレーダー室の中でレーダー画面を見ながら管制しています。管制官は色々な方向から飛んでくる飛行機を最終進入コースに一定の間隔を保ちながら誘導してゆきます。

2.タワー(離着陸管制)<AM セントレア118.850MHz/名古屋118.700MHz>
 空港から十数キロまで近づくと、このタワーと交信します。このタワーを聞いていれば、次に何が着陸するのか、何が離陸するのかがわかります。

3.グランド(地上管制)<AM セントレア121.800MHz/名古屋121.700MHz>
 滑走路から誘導路に入ると、グランドと交信して駐機場までの地上走行を管制します。また出発機にはプッシュバックの許可を与えます。

4.デリバリー(フライトプランの承認の伝達)<AM セントレア121.850MHz/名古屋121.750MHz>
 出発機は出発5分前にデリバリーと交信し、フライトプランの承認の確認を行います。デリバリーを聞いていると、行き先のわからない航空機でもすべてわかります。

5.ディパーチュア(出発管制)<AM セントレア120.00MHz&121.225MHz>
 離陸した航空機はタワーから、このディパーチュアに交信がかわります。このセクションは離陸機を航空路まで上昇させる誘導を行います。ディパーチュアもレーダー室の中でレーダー画面を見ながら管制しています。

★機材の紹介
 私は現在4台のレシーバーを保有しております。2台は自宅に、1台は車に、もう1台は職場においてあります。ここではそのうち自宅にある2台を紹介したいと思います。

 これが自宅で楽しむ時に使うもので、YUPITERUVT-225、通称「エアバンド・レシーバー」です。受信帯域はほんとうに航空無線を聞くためだけに限定されていて、その代わり感度はバツグンです。

 VT−225にはこの写真のスーパーディスコンアンテナが接続してあります。この傘の骨のようなアンテナで微弱な電波もキャッチしています。

 このICOMIC−R2を持ち歩きに使っています。非常にコンパクトで軽量なため、空港への撮影などに威力を発揮します。
 このレシーバーの欠点は混変調があること。空港内で、自動ドアなどから出る電磁波にも反応してしまい、肝心な交信とかぶってしまうことがあります。


★私流航空無線の楽しみ方
 自宅では私はデリバリーとグランド、タワーの3セクションをスキャンしていて、見えない出発機がいつ、どこへ飛ぶのかを聞いていることが多いです。
 デリバリーに私が興味のある航空機が発信すると、デリバリーに固定します。通常は5分前後でフライトプランの承認を伝達しますから、これで行き先とルート、飛行高度がわかります。
 離陸機がいない時はアプローチにしておきます。アプローチは空港から数十キロはなれた距離で管制を開始しますから、どうしても間近で見たい航空機が来るときはそれからでも空港へ行くことができます。
 それから着陸機はおおよそ1分間で1,000フィート降下します。つまり管制官が13,000フィートまで降下してよろしいといってから、およそ13分間は着陸しないことになります。
 タワーはこれらの離陸機と着陸機が実際に滑走路に接近してから聞けば十分です。もちろん空港へ行って、特定の航空機ではなく離着陸機全般を把握したい時はタワーがいいに決まってますが・・・。

こんな使い方も
 
自宅の部屋の窓から見慣れないカラーリングの飛行機が見えました。すぐに無線機を取り出し「タワー」に周波数を合わせます。管制官が「○○エア、クリアード トウ ランド」(着陸許可します)と言います。あれが○○エアかと納得。また定期便じゃない飛行機を発見した時も同様です。

★好きなコールサイン
 今は聞こえなくなってしまいましたが、「スピード・バード」です。イギリスの「ブリティッシュ・エアウエイズ」のコールサインで、何といってもかっこいいですからね。
 それから「エアカナダゼロゼロナイン(009)」、航空管制では9は「ナイナー」と発音することになっていますが、ここだけはいつ聞いても「ゼロゼロナイン」ですね。

★ダイレクト・コウワ
 名古屋空港から東南アジアやオセアニア、南九州、沖縄へ飛行する場合、「クワナ3ディパーチュア」という飛行ルートで出発してゆきます。このルートは管制官が誘導をしないと、名古屋空港から、クワナ、コウワと飛行して、紀伊半島のクシモトへ飛んでゆきます。しかし、ほとんどの便はレーダー誘導またはショートカットをします。このショートカットを「ダイレクト・コウワ」と言いまして、クワナを経由することなくその名のとおり知多半島の「コウワ」を目指します。私の家の場合、北向きに離陸した飛行機が「ダイレクト・コウワ」しますとほぼ頭上を飛んでゆきます。カンタスなどの長距離国際線のB747が轟音とともに飛び去ってゆくのを無線とともに見送ります。

★トーイングカー
 名古屋空港の国内線は駐機場がすくないために、着陸した航空機の移動作業を毎晩行っています。航空機をスポットに縦列駐機(名古屋空港名物)させたり、○番スポットから○番スポットまでトーイングしたりします。この交信はグランドコントロールとトーイングカーとの間で行われますが、すべて日本語でおこなわれています。

★ランウエイチェンジ
 航空機は向かい風の方向に離着陸します。当然風向きは刻々と変化するわけで、あるときを境に滑走路の使用方向がかわります。これを「ランウエイチェンジ」と呼ぶのですが、名古屋空港の場合は北向きのランウエイ34(RW34)を使用することがとても多く、午前中などは多少の追い風でもRW34を使用し続けることが多いのです。私はこのランウエイチェンジをする瞬間を無線で聞いているのがとても好きです。着陸機の位置、離陸機の有無など複数の条件が必要で、急な場合などは最終進入コースにのりかかった便を反対側に誘導しなおすなども行っています。

★ATIS
 これは直接的には航空管制ではありませんが、その空港のインフォメーションがエンドレステープで流れます。情報は一定間隔で更新され、「最終進入方式」「使用滑走路」「風向き」「天候」「雲」「温度」「気圧」などが送信されます。この中で重要なのは「使用滑走路」と「風向き」です。「使用滑走路」は自分が見ている方向に離陸するのか、着陸するのかがわかります。「風向き」はその使用滑走路が変更されるかどうかの判断材料になるからです。

★カンパニーレディオ
 航空無線には管制官が行う航空管制の他に、航空会社が地上と飛行機の間の交信をおこなう「カンパニーレディオ」というものがありまして、これはすべて日本語です。ANAの交信では出発前に搭乗客数を連絡するので、実際に何人乗っているのかがわかります。

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